Interview 両親の介護と育児を助けてくれた地域のコミュニティに感謝!

茅ヶ崎市下町屋在住 飯島 利彦(いいじま・としひこ)さん・千穂(ちほ)さん・結(ゆう)ちゃん

千穂さんは茅ヶ崎で生まれ育った生粋の茅ヶ崎っ子。利彦さんとの結婚を機に川崎市や千葉県八千代市で暮らしたのち、高齢になったご両親をサポートするため茅ヶ崎にUターン。父の生まれ変わりのように授かった結ちゃん(6歳)と3人暮らし。

ご両親から譲り受けてリノベーションした自慢のおうち

[写真]飯島さんインタビュー

太陽の光が差しこむ明るいリビングはまるでおもちゃ箱。赤や青、ピンクや緑……、カラフルな小物たちが無数にあふれているのに、センスよくまとまっている。
この家は千穂さんのご両親が晩年に暮らした思い出の場所。築40年のメゾネットマンションは採光が悪く、水回りも不便だったため、自分たち好みにリノベーションした。
施工業者を選んでいたときは、自分たちの希望を伝えても「うちでは無理だ」と断られてしまい、なかなか思うようにいかなかったという。根気強くいろいろと探した結果、たどり着いたのは茅ヶ崎市民文化会館のカフェの設計、デザインなども手がけた「エンケルヒュース」。思い描いた理想の家が形になった。

たくさんの靴が収納できるよう、土間を広げた玄関。1階と2階の上り下りをしやすくしたかったが、段数を増やすと今の位置では収まらなかったところ、設置位置をずらすというアイデアで実現したなだらかな階段。収納したい食器に合わせて作ってもらった食器棚、ご主人がこだわって選んだキッチンのタイル。家のあちらこちらに楽しいアイデアが満ちあふれている。飾り棚のひとつには千穂さんの母が趣味で集めたという鎌倉彫りを設置し、オリジナルのモダンなお仏壇に。「いつもおじいちゃんとおばあちゃんを感じていられるように」という仕掛けだ。

「理想の家を探して住むのもいいけれど、自分たちが暮らしやすいように作り変えていくことも楽しいものですよ。このメゾネットマンションで大規模なリノベーションをした人はほとんどいなかったので、完成した時にはご近所から内覧希望がたくさんありました(笑)。「ウチもやってみようかしら」なんて声も結構ありましたね。」

[写真]飯島さんインタビュー

ご近所さんのサポートで乗り越えられた人生のハードモード

[写真]飯島さんインタビュー

約10年前に千穂さんの母が認知症を発症。父が懸命に介護していたが、間もなくその父も肺がんを患った。千穂さんは当時勤務していた都内の会社と川崎や千葉の自宅、そして実家のある茅ヶ崎を行ったり来たり。

そんなハードモードな毎日を支えてくれたのは実家の茅ヶ崎のご近所さんたちだった。
父を抱えたまま転んで立ち上がれなくなったときに、千穂さんがポケットのケータイからSOSしたのは普段から親しくしているお隣さん。父を看取って、ほどなく父の生まれ変わりのように授かった結ちゃんは、近所の方々が遊び相手になってくれた。柳島の畑で野菜作りをする父の友人からは、沢山の野菜をいただく。いただいた野菜をご近所に配ると、美味しく加工されて飯島家に戻ってくるという、わらしべ長者のような幸せもここにはある。

既に両親は他界してしまったが、ご近所の皆さんは結ちゃんを自分の孫のように見守ってくれている。
昔から住んでいる人が作り上げたコミュニュティは安心できます。介護や子育ては一人でやっていると行き詰まってしまうことも多いので、コミュニティに入れてもらえて本当に助かっています。」

[写真]飯島さんインタビュー

山と海、四季折々のイベント、仕事を忘れてくつろげる場所

妻をねぎらい、茅ヶ崎に住もうと言ったのは夫の利彦さんだった。のちに「ああしておけばよかった」と思い残すことがないよう、できる限りご両親を介護すべきと感じて決心したという。現在は横須賀市まで通勤しており、職場まで時間はかかるが、悪いことばかりではない。
「茅ヶ崎はリゾートに向かうような気分で家に帰れます。仕事とプライベートをはっきり区別できる。こんな街、ほかにはないと思います。」

山梨県出身の利彦さんにとって、茅ヶ崎は憧れの土地でもあった。
「毎年秋頃に茅ケ崎里山公園で行われる茅ヶ崎ジャンボリーでは、ウエスタンファッションで飾った参加者がカントリーミュージックを聞きながら踊ってるんですよ。こんなにもカントリーが街に根付いているのかと驚きました。夏のビーチでは無料ライブや花火なども楽しめます。茅ヶ崎の山と海、四季折々のイベントや行事に友人を招くことがうちの楽しみにもなっています。」

茅ヶ崎の豊かな自然が教えてくれた、教育の本質

「結にはできるだけ多くの人に会わせ、いろいろなことを経験させ、なんでも見せたい」と、地域のコミュニティのイベントや行事には積極的に参加している。
両親がお世話になった特別養護老人ホームでは、結ちゃんはアイドルだったという。気難しいおじいちゃんも結ちゃんに会うとニッコリ。両親が亡くなった後もしばらく通っていた。

プレ幼稚園や南湖公民館の「わらべうたと絵本で遊ぼう」などにも通ったが、「青空自主保育 てぃだのふぁ」をメインに子育てをしてきた。「自主保育」とは、あまり聞き慣れないかもしれないが、幼稚園や保育園でない、遊具のない自然で、親たちが互いの子どもたちを見守り保育するもの。
全てを子供の意思にまかせる「青空自主保育 てぃだのふぁ」では、茅ケ崎里山公園や海の豊かな自然が先生だ。

「木に登れなくて泣いている子どもがいても、大人は決して手助けしません。自分の力で登れる木であれば、たとえ落ちても大きなけがにはつながらないし、登れない悔しさを克服し、努力して登れるようになったときの達成感が子どもの自信を育てるからです。自主保育に参加することで、私たち親も教育に対する考え方が大きく変わりました。」

茅ヶ崎の人と自然の中で鍛えられた結ちゃんの環境適応能力とコミュニケーション能力はピカイチ。
「人と人をつなぎ、人が集まって来るような人になってほしい」という願いを込めた名前に負けないくらい、結ちゃんの周りには多くの人が集まる。
下町屋のおもちゃ箱のような飯島家のお宅には、今日もにぎやかな声が響いていることだろう。

[写真]飯島さんインタビュー

Information:
エンケルヒュース
https://enkelhus.com/
藤沢市辻堂東海岸1-9-1
定休日 日・月・祝日

青空自主保育 てぃだのふぁ
月曜日から金曜日まで 9:15~14:00
http://site-1482250-4908-613.mystrikingly.com/
https://chigasaki-lifestyle.com/event/393/